ツールド熊野 アクシデント&暑さのタフレースでした。

クラブチームキナンAACAのレースメカニックとして、今回ツールド熊野に参加してきました。
UCI2.2レースということありサポートカーのレース伴走の意味を感じながら進行しました。
またパレード区間、スタート地点の駅、町、いたるところで住民の皆さんに応援されてとても驚きました。

選手は、キナンの選手とユーラシアの選手との混成スペシャルチーム。
5月29日木曜日のプロローグからはじまり、
30日、31日、6月1日 ともに山岳&テクニカル区間のあったコースでした。

初日30日のステージ
無線から落車の情報。
ホイールを持っていくと、ちょっと走行が無理そうな選手。
レースドクターにバトンタッチでレースサポートへ復帰。
この直後、サポートカーのバンパーに遅れた外国チーム選手がジョリジョリと当ててきた。
できたてほやほやのキナンラッピングなのに!保護テープを張っておくべきだった・・・

その後も落車、との無線が何度か聞こえてきた。なんでなんだ?

あとで様々な選手から聞こえてきたのは、集団がガラガラにスキマだらけだったようです。
つまり、スカスカで密集してないので器用な選手は、やりたい放題に位置取りができる。
不器用な選手は、油断するとライン外したり外れやすくなったと私は解釈しました。

集団全体のレベルが高いとより密集して、注意するポイントがかわり、
位置取りや簡単には上げさせなかったり、斜行が物理的にできなくなります。

そのあたりが気になった第1ステージ。
レース中は、落車の影響で2選手がサドルがずれたまま走行。
補給など無線で呼ばれるも片側一車線区間が迫り、なかなかいいタイミングで寄せられなかった。
集団に乗っていたので、完走最優先にそのままゴールまで乗ってもらった。 

私的には、ピットでカリスマメカにアドバイスが聞けたりととても収穫ある一日でした。
またアクシデントでレースから去った選手がおりとても残念だった。

31日 山岳ステージ
パレードのときからサポートカーのハンドル握る池田監督がかなりナーバス。
このコースの運転は、本当に大変なんだと。 
たしか運転相当うまいしそんな事言う方ではないのになぁ?
と思っていたら、KOMをすぎて道幅1車線分の峠の下り。
サポートカーでシェイクされるのには慣れているつもりでしたが
さすがに頭がクラクラしました。
選手の方も車体を傾け、シュンシュン下っていくし、
想定内ですが突然パンクで停まっている選手が出現したり、
違うチームの選手でもなんとかしないと危険、と判断したチームが助けていたり。
このあたりは、ステージレースらしい助け合いだなぁと。

あまりの暑さにボトルの消耗も予想を超えました。
登り区間では、熱中症かもと思える選手が多かった。
きびしいコースにふさわしく最後は、マンセボーという強力選手が優勝。
そう、ここはチャンピオンスポーツの舞台。そう感じた第2ステージでした。
ゴール後とある国の選手が●結飲んでるし・・・まちがったのかな。それとも?
まぁきっと相当内臓強いんだろな。

連日宿での洗車は、ホース一ヶ所でもここは日本。
みなさまと協力してマナー良く交代で使用。
GOKISOのホイール回転の軽さに驚きながら洗車。
IRCタイヤチューブレスも調子よく刺さりもなくパンクもなかった。

そして最終日。
ロードレースを観戦する方は、とても楽しめる状況。
接戦で逆転の可能性があり各チームの思惑が重なりあい予想できない状況でスタート。

ACAAからは、今日も2選手のみスタート。アタックが散発してるようだと無線情報。
そんななか序盤で1選手遅れてしまう。仕事としてカバーすべきは、残り1選手。頼むぞ~。
スタッフ一同ノーマーク選手の彼がアタックに乗ることを祈りながら進行。

下りコーナーでは、高速で荒れた路面を選手たちが攻める。
普通に段差コーナーは、30センチくらい横へ跳ねながらもハイグリップタイヤを使いこなしている。
そしてほとんどの選手が、むやみに高圧にはしていないのもポイント。
体重によるがやっぱり7気圧が多い。軽い人は6気圧台。公道だからなおさらかな。

と!無線でキナン選手のナンバーが。クラッシュとのこと。おぉぉ。No Way。
すぐに復帰と無線が入るが集団にもどったのか?
そんなうまい話はなく手を痛そうに、ガチャガチャ音をさせながらその背中が迫ってきた。

目視チェックするがパンクなし、フレームも割れてない。ブレーキレバー左側がインに入りこんでいる。
スペアバイクにするか迷ったが、サポートカーからDi2変速調整に成功。
ただ、フロントのブレーキキャリパー片効きがなかなか治せない。
回る車輪がそこあるので油断禁物。
一度止まってやるのも正解だが気がつくと下り区間になっている。この辺りの判断が課題でした。
そのあとも落ちたシートポストを治そうと走行しながらトライしましたが、これは失敗でした。
あきらめて増し締めに切り替えました。

今思えば、すぱっとスペアマシンに切り替える選択のが良かったと反省です。 
結局、集団のサポートカーの隊列まで戻ったがそこからレース集団へ復帰できなかった。
パンクにしてもアクシデントにしてもこういった時、TT的な走力が無いと厳しいようですね。

UCIレースとは、当たり前ですがホビーレースではなくチャンピオンスポーツ。
大事なUCIポイントと賞金が獲得できる勝負レース。
スタッフ、選手とも本当のタフさ、実力を試されるレースだと改めて感じました。

比べるには、私の経験が少な過ぎますが
やはりプロツアーチームのサポートカーと選手の関係、
動き、リズムがスマートで無駄なく、集団復帰の際もあのように走らせる技術があれば、
もっと安全に省エネで泳いで復帰できるとも思いました。

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キナンのみなさま ありがとうございました。
Hi-Bike 中村仁