ミラーニ社の歴史

ミラーニ・サイクルズ・ファクトリーの創業は、1927年。
三人の兄弟が、自分達のための自転車を作り始めたのがキッカケです。会社となってからも、すべてが彼ら自身の手による手作りの自転車でありました。

三人兄弟の一人、ジュゼッペ・ミラーニはビアンキ・チームでレースし、同じく兄弟のナターレ・ミラーニはヴィスコンテア・チームでレースし、チーノ・チネリと一緒に走っていました。
その当時からチネリは偉大なライダーであり、後に皆さんご存知の「チネリ社」を設立しました。

レーサーであると同時に、ナターレは熟練した職人でした。
第2次世界大戦中、彼はイタリア空軍で航空機関士として働き、予備パーツが入手できないときや設計の改良時に、部品も製作していた。
この手で物を作るこの能力が、後にミラーニ・サイクルズがアルミニウム合金の自転車フレームの草分け的存在になること、に結びついたのです。

兄弟は最初の工場をガッララーテに設立します。
そこは様々な航空機メーカーやモーターサイクルメーカーなど、エンジニアリングの街でした。そういった最先端技術者が集まったこの地域での評判になることによって、ミラーニ・サイクルズの名がイタリアで知られるのには、そう時間はかかりませんでした。

このころから、ミラーニは自分たちのためだけにバイクを組み立てるのではなく、自転車競技界で名立たる選手たちへのバイク供給を始めました。
選手たちのバイクを作るようになり、そこから求められる技術や細部へのこだわりが、ナターレ・ミラーニをさらなる有能なフレームビルダーへと成長させました。
その技術は、今日のミラーニ製品の中にも同様に生かされています。

そして今日。
ネスレ、ヴァージン、マクドナルド、ブルガリなどの多国籍企業で数々の経験を積んだ、現ミラーニサイクルズマネージャー、チェレステ・ミラーニは、設計と製造のニューセンターを設置し、デザインを熟練した製図技師と、フレーム製造を腕の立つ職人に、研究開発と製品テストを航空技師にゆだね、オーダーメイドフレームを今日も生産しています。